法律相談の不思議

病院と同じように、弁護士の世界でもセカンドオピニオン(アナザーオピニオン)を求められる方が増えてきました。一般の方がインターネット等で法律に関する情報に多く接することができるようになったことが一因であると考えられます。
実際に、何人かの弁護士に法律相談をした結果、違う結論を示された、という経験がある方もいらっしゃると思います。
同じことを相談しているつもりなのに、弁護士によって結論が違うとすれば、それはなぜなのでしょうか? いくつか理由が考えられますが、例えば以下のものがあります。

1 弁護士の知識や経験に違いがあるから

本来であれば、~という法律上の主張が可能だとして、A弁護士はそれに気付かなかった、又は忘れていたが、B弁護士はこれに気付いた、ということがあり得ます。
相談時間は限られているので、法律上も難しい事案であればこうしたこともあり得るでしょうが、AとBとで知識や経験に差があったと言えます。

2 相談者が説明する事情が異なるから

その事情が法的な観点から重要であれば、当然、法的な結論も変わることになります。
相談時間が限られていたので話す時間がなかった、その時は重要だと思わなかった、忘れていた、又はあまり言いたくなかった、といった理由で、Aには説明しなかったが、Bには説明した、ということは十分あり得ることです。こういったケースは結構あるのではないかと思います。
もっとも、相談者から事情を引き出すのも弁護士の腕の見せ所なので、AとBとでは力量に差があったと言える場合もあるでしょう。

3 弁護士のスタンスに違いがあるから

実はAとBは考えていることは同じだけれども、Aは安心してもらおうと思って、「認められる可能性は十分ありますよ。」と前向きな話をし、Bは後で落胆させないように、「なかなか難しいと思いますよ。」とリスクを強調して話をする、ということはあり得ます。
ドクターでも、手術に際して、「リスクはありますが、全力を尽くします。私に任せてください!」と手術に前向きな姿勢を示すタイプと、「全力を尽くしますが、リスクはあります。リスクを踏まえて手術を受けるかどうか判断してください。」と冷静に患者に判断を委ね、もしかすると手術に消極的と受け取られるかもしれないタイプとがいるでしょう。弁護士にも似たところがあると思います。

以上から、法律相談を受けようとする方へ、2つアドバイスがあります。

法律相談に対する回答は、限られた相談時間で把握できた事情を前提とした、暫定的なものとならざるを得ません。

そのため、法律相談を受ける際には、話し忘れの防止や相談時間の有効活用のために、予め出来事を時系列にしてまとめておき、資料も持参することをお勧めします。

セカンドオピニオンには意味があります。

「なかなか難しいと思いますよ。」というのは、勝てる可能性は0%に近いというのをオブラートに包んだ表現であって、突っ込んで聞いてみると、「無理だと思います。」と断言されるかもしれません。この場合には、セカンドオピニオンも同様の結果になるかもしれませんが、納得という意味では成果があったことになります。
他方で、突っ込んで聞いてみると、「勝てる可能性はある程度あるけど、負ける可能性の方が高いので、うちでは受任できません。」と回答されるかもしれません。この場合には、勝てる材料を見出して受任してもらえる弁護士が他にいるかもしれません。そうした弁護士がいれば、負けるリスクは一定程度あるでしょうが、その弁護士に委任をすることも考えてよいでしょう。

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